去る7月13日、ペンシルベニア州バトラーで開催された選挙演説中に、トランプ前大統領がライフル銃によって襲撃されました。
幸いトランプ氏自身に向けて放たれた弾丸は、右耳をかすめるに留まりましたが、後方で家族をかばっていた元消防隊員の男性がお亡くなりになりました。
その他、数名の負傷者が出てしまったことは、言葉では言い表せないほどのはがゆさと悔しさを感じてしまいました。
今回の事件でお亡くなりになった方に対しましては、心よりご冥福をお祈りします。
アメリカでは、政治に関する人々の考えは住んでいる地域によっても非常に異なり、個々の主義主張は強く、常に理解し合うよりも対立姿勢が強い気がします。
それだけ米国民の多くが、自国の政治に対する関心度が高い証拠でもあり、それだけに大きな事件も起きやすいのだと思います。
トランプ氏・バイデン氏の選挙戦の頃から、「アメリカの分断」が叫ばれる傾向が強まった感があります。
実際のところ、「アメリカの分断」に関しては、ずっと昔から続いて今日に至ると思っています。
過去には、何と4人もの現職の大統領が狙撃されて命を失った経緯があります。
※1963年のジョン・F・ケネディ大統領の銃撃事件など。
長年に渡って浸透している銃社会のアメリカにおいて、尊い命が一発の弾丸でもろくも失われてしまう現実には、今さらながら辟易します。
ただ、正当防衛をする手段としての銃を持つ権利は、ここまで銃が浸透してしまったアメリカにおいて、撤廃することは非常に困難という現実の側面があります。
自らの主義主張と異なる意見に対し、暴力で応える人が一定数いる現実を踏まえると、銃撤廃に向けた法整備や厳罰化は真剣に取り組むべき課題です。
富の再分配
国の豊かさを計る際に、その国の経済政策が自国民に向けた「富の再分配」の制作を見ればよく分かると思います。
富の再分配 (※Wealth redistribution) とは、豊かな層から貧しい層へ経済的資源が移るプロセスを示し、経済的な不平等を無くすことを目的としています。
我々、一般庶民の暮らしが安定し、豊かさを感じることが出来る為には、国家レベルの富の再分配政策が機能する必要があるのです。
具体的には「税制改革」「社会保障や福利厚生」「医療改革」「住宅政策」「労働市場の改革」「企業統制・規制」「インフラ投資」が挙げられます。
私は日本で生まれ、20代半ばまでを日本で過ごした後、20年以上アメリカで暮らしてきました。
渡米後、私が感じた日米の最も大きい相違点だと思えた点は、「競争主義 (アメリカ)」か、「平等主義 (日本)」ということです。
アメリカの場合、異なる人種で成り立つ国家であるが故の平等主義の面も沢山ありますが、日本よりもはるかに「競争主義」が働く要素が大きいと感じます。
勉強や、スポーツなど多岐に及ぶ分野で才能がある人にとって、その能力を開花させる為の環境としてのアメリカは、とても優れていると感じます。
逆に、現地で出会ってきた人々には、高校やカレッジを中途退学している人が (※思っていたよりも) 多く、学歴の壁で経済的に困窮する人も多いのです。
多くの有権者は一途で頑固
長年、不可解に思っていた事は、大都市が多い 「CA州やNY州ほど、Democrats (民主党支持者:リベラルな立場の人)が必ず勝利する」が、不変である点です
50州もあるアメリカ合衆国では、選挙人団制度 (※人口や経済力の差を考慮した公平性を保つ為の制度)など、緻密に考えられた選挙制度が導入されてはいます。
そのことを考慮した上でも、州によって昔から支持する政党を変えない人が影響力を持つ選挙制度は、本当の意味で公平ではないと感じてしまいます。
日本の場合、ずっと自民党しか支持しない人がその理由を言えないのと似ていて、昔から指示して来た政党が一番と盲信している人が多過ぎると感じます。
多くの岩盤支持層は、地域性や身近な人の影響だけで決断している為、(確かな考え無く) 毎回同じ党へ投票するので、結果的に同じ結果が常態化するのです。
私自身、国や政府といった「大きな組織に頼った強い思想」は持たないように気を付けています。
20年ほど前に加入した生命保険や、IRA (※個人年金/Indexed fund)のCash Value (積立金)は、長年の苦労 (※支払い)を経て、楽・満足(※利益)を生んでいます。
事業を始めた2005年から今日に至るまで、サポートさせていただいたお客様の信頼を守ることで、新しいご紹介やビジネスが生まれてきました。
つまるところ、自分と家族を守る為に必要な思考や行動とは、「人や社会に対して有益か?」を考え、「今の苦は将来の楽」に繋がると信念を持つことです。
選挙は大切な国民の義務だとは思いますが、その結果が、自らが支持する政党では無かったとしても、受け入れる強さと勇気を持つべきです。
常に「自分で考えて行動する」先に、「後悔の無い未来」がやって来ると心からそう信じています。