ついに2017年度も、あと数時間で終わろうとしています。
毎年、この時期になると同じ事を感じ、言っているような気がしますが、1年とは本当にあっという間に過ぎ去っていきます。
私共が身を置く保険業界の中で、特に医療保険業界は「荒れに荒れた一年だった」と思います。
もっとしっかり対応出来たはずだ、であったり、こうするべきであった、といった反省点と改善点の多い1年でもありました。
個人や家族向け医療保険に関しては、2018年より、大手保険会社「Anthem Blue Cross」と「Cigna」社が、California州の広域で医療保険の販売事業を辞める事になりました。
弊社は、Anthem Blue Cross社の販売実績 Top 1%の代理店でしたので、計り知れない数の対応に迫られる事になりました。
この影響で、10月から約3か月間もの間、数千件を超える案件に対応する事態に直面し、今年のクリスマスには、過労で完全に寝込んでしまいました。
ご対応いただいた全ての皆様に、感謝とお礼の気持ちで溢れています。
大きな動きとしましては、12月初旬に上院で可決の運びとなった新しいルールが適用されることです。
➡ 2019年以降からは、医療保険の無保険者に課されていたペナルティーが撤廃されます。 (※2018年度中は、まだペナルティーがかかります。)
また、Grand Fathered Planと呼ばれる2010年3月までに販売されていた古くから存在する医療保険(※個人・家族向け)も、来年以降から一部のプランを除いて廃止となります。
医療改革 (※通称:オバマケア)が可決する為の条件として、古くから加入されているGrand Fathered Planは、本人の意思で継続し続けることが認められていました。
しかし、実際のところ、Grand Fathered Planは、今現在発売されている医療保険のプランよりも安価なプランが多い為、販売元の保険会社が利益の確保が出来ない原因ともなっています。
かく言う私自身も、Grand Fathered Planを保持し続けてきましたので、来年以降、大変不安な気持ちで過ごしています。
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大学時代、4年間、大阪の下町で酒屋の配達員のアルバイトをやらせてもらっていました。
当時は、まだコンビニではお酒が売れない時代でしたので、ビールや缶酎ハイなど、お酒を買いに来る人や、配達を依頼される方など、酒屋はとても忙しかったのです。
今の若い方からすると、コンビニでお酒が買えない時期があったなんて信じられないと思います…。
※酒類の販売が出来るようになった事は、コンビニ事業が大きく成長した大きな要因で、逆に、町の多くの酒屋が潰れてしまった原因でもあります。
その当時、よく売れていた日本酒の銘柄に「上善如水」というものがありました。
その言葉が、中国の哲学者 “老子”の説いたものだと何となく知っていましたが、その意味は深く知りませんでした。
注文を受けることも多いお酒でもあったので、その意味が気になり始め、実際に調べてみたところ、今後の自分の生き方にも大きな影響を与える深い教えがありました。
ざっくりと表現するならば、この言葉の本意は「(むげに) 競争しない」ということです。
ご存じの通り、水とは、高いところ(上)から低いところ(下)へ流れていくことが自然の摂理です。
老子が生きた春秋戦国時代の中国では、競い合って勝ち上がる価値観が当たり前で、そんな中でも、あえて人と争わずに、謙虚に頭を垂れて低いところに留まれと諭したそうです。
水は、長い年月を経て岩を砕く強い力を持つと同時に、生物を生かす恵みの効果もあります。
水のような理想の生き方とは、具体的には下記のように挙げています。
・物の考え方は、奥深くあるべき。 ・住まいはしっかりとした土壌が望ましい。
・人との交流は情が深い方が良い。 ・政治は高い処理能力の元で実施されるべき。
・行動を起こすタイミングを誤らないこと。 ・発する言葉は誠実であるべき。
一見、鉄や岩に抱く印象とは異なり、水はやわらかで、つかみどころのない「弱い」印象を受けるかも知れません。
しかし、鉄は水に触れ続けると錆びて朽ちていきますし、岩も水にポツポツと打たれる事で穴が開いてしまう訳です。
つまり、水とは、やわらなくもしなやかでありながら、本当は、何よりも強い力を秘めている!という事が言いたかったのでは無いでしょうか?
世の中は、常に「変化」の中で、あるべきものが生まれ、生まれては無くなっていきます。
そういった過程を経てこそ、より良いものは生まれ、起こる問題は、改善されてきた訳です。
例え、新しい法律やルールのような国レベルの大きな力であれども、その力は、水が持ち得るような本質的な力に比べればとても非力だと思っています。
我々、一人一人の人間は、何かの力によって生かされています。
世の中が混迷を極める時こそ、この「水」の持つ力になぞらえて、今直面している問題は、どのような流れを経て改善されていくのか? を考える時だと思います。
Insured person (保険加入者)が損をして、Uninsured person (保険未加入者)が得をするといった状況は、上善如水の教えに逆らう異常な状況です。
結局、複雑な物事も、結果的には、シンプルで自然の流れに戻っていくようと信じています。
「得る人」がいるという事は、どこかに「与える人」がいる事になります。 得ることばかりを考える人が増えれば、必然的に、与える人の数が足りなくなります。
つまり、より良い世の中を保つ為には、一人一人が出来る範囲の「与える」活動を意識し、些細な事でも実行していく必要があると思います。
2018年度が、皆々様に取りまして、平穏で素晴らしい一年となりますよう、心より祈念させていただきます。
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